90分の外側

近年、若いうちから海外へ挑戦する日本人選手が増えました。
異国の地でプレーするということは、
ただサッカーをする場所が変わるということではありません。
言葉も違う。
文化も違う。
価値観も違う。
そんな環境の中で、自分の価値を証明しなければなりません。
期待に応えられなければ、厳しい評価を受ける世界です。
海外で活躍するためには、
結果を残すこと。
求められる役割を理解すること。
チームに順応すること。
もちろん、それらはとても大切です。
ですが、それだけで信頼を得られるわけではありません。
異国のクラブでプレーする選手に本当に求められるのは、
「人間力」です。
文化を理解すること。
人を理解すること。
言葉を理解しようとすること。
どんな環境にも順応し、
違いを受け入れ、
人と関係を築くこと。
サッカーが上手いだけでは、
異国の地で本当の意味で活躍することは難しい。
ピッチの上でのプレーは、
ピッチの外で築いた信頼の上に成り立っているからです。
ただ、この本質は海外だから特別というわけではありません。
日本のクラブチームでも同じです。
サッカーは11人で行うスポーツ。
だからこそ、
ボールは信頼できる人のもとへ集まります。
もちろん、技術や戦術、ポジショニングは大前提です。
ですが、
苦しい時にボールを預けたくなる選手。
「この選手なら大丈夫」と思える選手。
そんな信頼もまた、プレーに大きく影響します。
さらに言えば、この本質はサッカーに限ったことでもありません。
学校も。
家庭も。
地域も。
人が集まる場所には、必ず人とのつながりがあります。
挨拶をする。
感謝を伝える。
相手を知ろうとする。
そんな小さな積み重ねが、信頼をつくります。
人とのつながりを大切にできる人は、多くの人に支えられます。
助けてもらえます。
応援してもらえます。
そして、
自分一人では行けない場所へ連れていってもらえるのです。
ピッチの上でのプレーは、
ピッチの外で築いた信頼の上に成り立っています。
それはサッカーだけではなく、人生も同じなのかもしれません。
だから私は思います。
本当に大切な勝負は、
90分の外側にもあるのです。
意志あるところに、道は拓く。
