本気は、外からは生まれない

「やる気を引き出してください。」

指導をしていると、よく聞く言葉です。
ですが、はっきり言います。

人を本気にさせる火は、外から点けることはできません。

もし外から押されて動くのだとしたら、
それはやる気ではなく、ただの指示待ちです。

言われたからやる。
怒られるからやる。

それは、本気とは言いません。

人が本気になるきっかけは、実に様々です。

周りに負けたくないという
悔しさから火がつく人。

自分で試行錯誤を繰り返し、
小さな成功体験の中で
「面白い」と感じて夢中になる人。

あるいは、このままではダメだという
危機感から腹が決まる人。

支えてくれている人の存在に気づき、
急に自分と向き合い始める人もいます。

同じチームにいても、
同じ練習をしていても、
同じ指導を受けていても、

本気になる人と、そうならない人がいる。

その差は能力ではありません。

心の中に火が灯っているかどうか。

そしてもう一つ、少し厳しいことを言います。

やる気がないのではありません。
まだ自分の人生として引き受けていないだけです。

親に言われたから続けている。
なんとなく続けているサッカー。

それはまだ、自分のものになっていない。
だから火が入らない。

火が灯っていない状態で、
周りがいくら言葉を重ねても意味はありません。

言葉は頭の上を通り過ぎていくだけです。
まだ心が動き出していないからです。

では、大人は何もできないのか。
そうではありません。

火を点けることはできない。
しかし、火が生まれる環境はつくれる。

本気の環境。
悔しい経験。
そして、逃げずに向き合う大人。

そういうものが重なったとき、
ある瞬間、人の中で火が灯ります。

一度火が灯った人は変わります。

自ら考える。
自ら動く。
自ら工夫する。

もう、誰かに引っ張られる必要はありません。
自分で前に進み始めるからです。

自立とは、特別な能力ではありません。

自分の中に火が灯っているかどうか。

誰かに動かされるのではなく、
自分の意志で動き出すこと。

あなたは本当に自分の火で動いていますか。

意志あるところに、道は拓く

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