総体県大会優勝〜10番が見つめるその先〜

新人戦、総体県大会優勝、現在プリンスリーグでも首位を走り、

結果から見れば、
順風満帆なシーズンを送っているように見える。

しかし、その内側では、
一人ひとりが課題と向き合い、
より高いレベルを求めながら、
少しずつ変化を重ねてきた。

今回、話を聞いたのは、
静学の10番を背負う松永。

ピッチの中心でプレーしながら、
何を感じ、
何を見つめ、
どんな想いでこの大会を戦っていたのかを記録します。


Q1.
今回の大会を振り返った時、

プリンスリーグに続き、結果だけを見るとチームの状態は安定しているように見えたけど、
実際にピッチの中で戦っていた松永から見て、

今回の優勝につながった一番の要因は何だったと思う?

チームとしての要因と、
個人として意識していたことの両方を教えてほしい。

A.
今回の優勝につながったチームとしての要因は、「得点力」だと思います。試合に勝つためには、相手より多く得点を奪わなければなりません。シンプルなことですが、とても難しいことです。
昨年1年間Aチームで活動させてもらい、結果につながらなかった要因の一つとして、「決め切れない」「得点が取れない」という課題がありました。しかし今年は、沢井が8得点を挙げてくれたことや、準決勝でセットプレーから飯尾が試合を突き放すゴールを決めてくれたこと、途中出場の選手が結果を残してくれたこと、さらに決勝では小田切や半田をはじめ、さまざまな選手が得点を決めてくれたことなど、チーム全体として高い得点力を発揮できました。
だからこそ、相手より多く得点を奪い、試合に勝ち続けることができ、優勝につながったのだと思います。
個人としては、「上手い」「静学らしい」だけでなく、「試合を勝たせる仕事をする」ということを一番意識して大会に臨みました。

Q2.
総体県大会予選期間中にJクラブへの練習参加を経験してから、以前より自信を持ってプレーしているように見えたけど、

その経験を通して、自分の中で変わったことや気づいたことはあった?

また、それが今大会でのプレーにどんな影響を与えたと思う?

A.
大会期間中にJクラブへ練習参加をさせていただき、一番強く感じたのはオフザボールの重要性です。
サッカーでは、ボールを持っていない時間が8〜9割を占めます。プロの世界はスピード感がまったく違い、普段の自分の動き出しではボールを引き出すことができず、受けられたとしてもすぐに潰されてしまうことが多くありました。
私が練習参加させていただいたクラブでは、特にオフザボールを重視しており、入れ替わりや流動的な動きが求められていました。そこに大きな差を感じました。プロの選手は、自分がボールを受けるためだけではなく、味方をフリーにするためにも動きます。
静学のスタイルは、ボールを持ったときに人を魅了するサッカーだと思います。そのため、練習でもそこに重点を置いています。なので、自分のオフザボールに対する考え方は、「ボールをもらうための動き」というものでした。ボールを受けることさえできれば、静学で培った技術を発揮できると考えていました。ボールを受けることが目的になってしまっていたのです。
ですが今は、オフザボールとは「自分がボールを受けたとき、そして味方がボールを受けたときに、より良いプレーやゴールにつながるプレーができるための動き」だと考えています。ボールを受けることがゴールではありません。
プロの世界を経験し、オフザボールの部分をもっと磨かなければ通用しないと感じました。先ほど、ボールを持っていない時間は8〜9割だと書きましたが、プレーにおける重要性で言えば、大げさかもしれませんが99%を占めると感じています。
インターハイで決めたワンタッチゴールや、裏への抜け出しからのアシストも、このオフザボールの重要性を実感したからこそ生まれたプレーだと思います。

Q3.
静学の10番としてプレーする中で、
周囲からの期待や責任を感じる場面もあったと思う。

今大会で、自分自身が一番悩んだこと、
もしくは乗り越えようとしていた課題は何だった?

また、それに対してどんな向き合い方をしていた?

A.
静学の10番は、チームで最も上手く、そしてチームを勝たせなければならない存在だと思っています。
静学の中でも一番注目される番号ですし、全国にも、自分がかつて憧れていたように、憧れの目で見ている子どもたちがたくさんいると思います。その分、責任も人一倍大きいです。
その責任をプレッシャーとして捉えることもできますが、私は自分のモチベーションとして受け止めていました。自分のプレーが多くの人に影響を与えられる。静学に入りたいと思ってもらえる存在になりたい。そう考えることで、その責任や期待を原動力に変え、楽しみながら向き合うことができたと思います。

Q4.
今大会を通して、

ゴールや勝利の瞬間に成長を感じることもあったと思うけど、

むしろ練習中の雰囲気や、
試合中の声掛け、
ベンチメンバーの振る舞いなど、

日常の中で
「このチーム、変わったな」

と感じた場面があれば教えてほしい。

A.
チームとしては、自覚が生まれたと思います。
日常生活から多くの人に見られ、たくさんの人が応援してくれている。そのことを全員が実感し、自分たちには責任があるという自覚を持つようになりました。
日常から努力しなければ結果は出ないし、逆に日常からしっかり取り組めば結果につながる。そのことをみんなが理解できたと思います。そのため、日常を大切にする姿勢が大きく変わりました。
また、今年のチームは仲が良いこともあり、試合に出ていない選手たちも積極的に声をかけてくれます。インターハイではより一層チーム全体の一体感が高まったと感じています。

Q5.
総体県大会優勝という結果を手にした今、

この優勝は
チームにとってどんな意味を持つタイトルだったと思う?

【最後に】
この先チームとして目指していくもの、
そして松永自身がこの一年に懸ける想いを聞かせてほしい。

A.
県総体優勝は、日本一を目指す上での通過点だと思っています。
私たちは現在プリンスリーグに所属しており、まだ全国のトップレベルを本当の意味では知りません。今回の優勝は、日本一に挑戦するための切符をようやく手にしたに過ぎません。
だからこそ、現状に満足している選手は一人もいないと思います。ただ、大きな期待やプレッシャーがある中で、しっかり結果を残せたことは、とても大きな経験になりました。

【最後に】
チームとして、日本一を目指します。
選手権だけでも、インターハイだけでもありません。夏も冬も優勝する。そして、ただ優勝するだけではなく、静学のスタイルで全国制覇を成し遂げます。簡単なことではありませんが、必ずやり遂げます。
個人としても、高校サッカーは今年が最後の一年です。
ユース昇格を断り、静学へ進学するという決断には反対の声もありました。それでも送り出し、支えてくれている両親がいます。サッカーとは無縁だったにもかかわらず、今では毎試合ライブ配信を見て応援してくれている姉もいます。
また、寮生活を支えてくださっているおきたつさんをはじめとする寮の皆さん、静学のコーチ陣やスタッフの皆さん、応援してくださる方々、やんちゃな先輩方、そして敬語をつかえないけどかわいい後輩たちなど、挙げればきりがないほど多くの人たちに支えられてここまで来ることができました。
そのすべての人たちへの恩返しとして、日本一を勝ち取りたいと思います。
そして、自分が憧れていた静学の先輩たちの背中を、今度は自分が見せる番です。
まだまだ足りない部分は多いですが、これからも応援よろしくお願いいたします。

松永の言葉から伝わってきたのは、
県大会優勝という結果そのものよりも、
その先にある日本一への覚悟だった。

目指す場所は、まだ先にある。

だからこそ、
これから積み重ねていく日常が、
夏や冬の結果を決めていくのだと思う。

この経験が、
次の舞台につながる過程になることを期待したい。

意志あるところに、道は拓く。

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