戻れない場所に立つ

「戻れない場所に立つ」と聞くと、
何か大きな決断や、劇的な変化を想像してしまいがちです。
しかし、実際はそうではありません。
その場所に立った瞬間に、景色が大きく変わることは、ほとんどありません。
朝はいつも通りにやってきます。
練習も、授業も、昨日と変わらず始まります。
何かを選んだからといって、
世界が急に優しくなったり、
あるいは厳しくなったりするわけではありません。
変わるのは、
その日常とどう向き合うか。
一つの選択をした人は、
「やるか、やらないか」を毎回考えなくなります。
やることを前提に、一日が進んでいきます。
その静かな積み重ねが、やがて大きな差になっていきます。
一方で、
特に何も選ばなかった人は、
日々、同じ問いを繰り返すことになります。
「今日はどうするか」
「今でなくてもいいのではないか」
高校年代で生まれる差は、
才能以上に、
この“問いの有無”によって広がっていくのかもしれません。
「戻れない場所に立つ」というのは、
自分を無理に追い込むことではありません。
迷いを減らすための、一つの選択です。
迷いが減れば、
判断は速くなり、
行動は自然と増えていきます。
特別な覚悟はいらない。
派手な決意表明もいらない。
ただ、
「もう迷わない」と決めること。
それだけで十分です。
戻れない場所は、
どこか遠くにあるものではありません。
今日の行動の中に、
静かに存在しています。
意志あるところに、道は拓く。
