オフ・ザ・ボールは「見えない評価」

ボールを持っていない時間を、
「自分には関係のない時間」だと捉えているうちは、
その選手はまだ、本当の意味で試合に参加できていないのかもしれません。
サッカーはボールを持っていない時間のほうが、圧倒的に長い競技です。
それでも多くの選手が、ボールが離れた瞬間に思考を止めてしまいます。
歩く。止まる。眺める。
そして、再びボールが来るのを待つ。
それは「休憩」であって、
プレーとは言えない状態です。
オフザボールの動きは、とても目立ちにくいものです。
ハイライトにも残らず、
得点や結果に、すぐ表れることもありません。
だからこそ、誤魔化しが利いてしまいます。
何もしていなくても、
「たまたまボールが来なかった」
そう言い訳ができてしまう場面もあります。
しかし、指導者は見ています。
チームメイトも感じ取っています。
ボールを持っていないときに、
その選手がどんな存在なのかを。
良いオフザボールとは、
スペースを空けること。
味方の判断を助けること。
相手を迷わせること。
自分が主役にならなくても、
チームの流れを整える行為です。
逆に言えば、
オフザボールを怠ってしまうと、
周囲の判断を遅らせ、ミスを誘発し、
チームのリズムを崩してしまいます。
多くの場合、本人が気づかないままに。
本当に強いチームは、
「うまい選手」だけでなく、
「分かっている選手」を評価します。
ボールに触らなくても、
試合に影響を与えられる選手。
目立たなくても、
勝利に近づける選手。
そうした選手が、
最後までピッチに立ち続けます。
オフ・ザ・ボールは、
誰にも見られていないようで、
実は一番よく見られている部分です。
声を出しているか。
常に準備ができているか。
次のプレーを考えているか。
そこには、その選手の姿勢や覚悟が、
そのまま表れます。
もし今、「今日はあまりボールが来なかった」
そう感じた試合があるのであれば、
一度問い直してみてほしいと思います。
本当に、何もできなかったのでしょうか。
ボールを持っていない時間に、
何を考え、何を選び、
どのようにチームに関わっていたのか。
サッカーは、ボールに触った回数ではなく、
どれだけ試合に参加していたか、その密度で評価されると思います。
オフザボールは、
決して見えない評価ではありません。
ごまかしのきかない、大切な評価です。
意志あるところに、道は拓く。
