新人戦優勝の裏側

〈キャプテン(足立羽琉)の言葉を通して〉
新人戦県大会、優勝。
結果だけを見れば、そう一言で片づけられる。
だが、その裏側には、
表には見えない時間と、揺れながら進んできた過程がありました。
今回はキャプテンの言葉を通して、
大会を通じてチームの中で何が起きていたのか、
そしてこの優勝をどのように受け止めているのかを記録します。
Q1.
新人戦が始まる前、
裏選手権や遠征を含めた準備期間の中で、
当時のチームを見ていて「ここが一番足りてないな」と感じていた部分って、どこだった?
その課題に対して、
チームとしてどんなことを意識して取り組んできたのか。
新人戦を終えた今、その変化は実感できてる?
A.
一番最初に出た課題は、勝ちきれない試合が続いたことです。
攻撃面では、新チームの立ち上げとしては悪くない攻めができていて、得点も取れていました。ただ、前半終了間際や試合終了間際にセットプレーから失点する場面が続き、結果的に勝ちきれない試合が多かったことが一番の課題だったと思います。
練習試合とはいえ、自分たちは「勝ちにこだわる」という目標を持っていました。その中で、終了間際に緩さが出てしまい勝ちきれないのは、とてももったいないと感じました。
その課題については、試合後に話し合いを重ね、キーパーを中心に「どう守るか」を全員で共有し、改善しようと努力してきました。
新人戦を終えて、結果として無失点優勝という形で大会を終えることができました。
セットプレーの場面でも全員で声を出し、雰囲気を作りながら、どんな試合でも守りきることができたので、大きく成長できたと実感しています。
Q2.
大会を振り返ってみて、
「ここが一つの分岐点だったな」と感じる試合、
もしくは印象に残っているワンシーンはある?
そう感じた理由も教えてほしい。
A.
準決勝の磐田東との試合だと思います。
この試合は、今大会で一番内容が良くなかった試合で、後半はシュート0本に終わってしまい、静学らしくない試合でした。
この試合をターニングポイントだと感じた理由は、試合後に一度解散したあと、出場したメンバーで集まって話し合いをしたことです。
決勝が次の日に控えていた中で、意識で変えられる課題をみんなで共有し、高いモチベーションで決勝に臨むために切り替えの時間を持てたことが大きかったと思います。
具体的には、試合には勝っていたので、ネガティブではなくポジティブな話し合いをしました。
試合中の課題として、雰囲気が悪いときこそ全員が声を出し、味方の良いプレーを褒め合い、自信を持ってプレーできる環境を作ろうという話をしました。
それを決勝戦で実際に実行でき、試合の入りから終わりまで良い雰囲気で戦えたことが、結果にもつながったと思います。
Q3.
今回の優勝で、
チームとして「積み上げられたな」と感じている部分はどこ?
逆に、
この大会を通して、
よりはっきり見えてきた課題があれば教えて。
A.
静学の歴史に「新人戦3連覇」という結果を残せたことは、とても良かったと思います。
また、年間目標である5冠のうち、まず1つを取れたことも大きな収穫でした。
一方で、大会を通して何試合かうまくいかない試合もありました。
これからリーグ戦が始まり、インターハイや選手権と大事な試合が続いていく中で、試合に波が出てしまうと、重要な試合を落としてしまう可能性もあります。
シーズンを通して、その波をなくしていくことが課題だと感じています。
また、細かいミスや連携が合わない場面、球際の弱さなど、課題はたくさんあります。
個人の課題はそれぞれが自分で改善し、チームの課題は全員で共有しながら取り組んでいきたいと思います。
Q4.
新チームが始まってまだ2ヶ月弱だけど、
先輩がいた頃の自分と、
今、最高学年としてチームをまとめる立場になった自分を比べてみて、
意識や考え方の面で、どんな変化を感じてる?
A.
先輩がいた頃は、試合中も試合外でも先輩に頼ってしまう場面があり、自分から何かを変えようとするプレーや行動が足りなかったと気づかされました。
その経験から、今は試合外でも周りをよく見ることや、自分から声をかけることを意識するようになりました。
声かけ一つでも、状況によって求められる言葉は違うので、その場に合った掛け声を出せるように意識しています。
また、去年のチームを見てきたからこそ、「何が足りなかったのか」「もっとこうすべきだった」という部分を振り返り、それを今のチームに伝えていけるように心がけています。
Q5.
3年目のチームとして、
今シーズン掲げている「目標」と、
その目標に向かっていく中で大切にしている「目的」を教えて。
それと、
キャプテンとしての個人目標と、
そこに込めている思いも聞かせて。
A.
チームとしての目標は、5冠を達成し、全国制覇することです。
選手権で全国制覇することを夢見て静岡学園に入ってきた選手は多いと思いますし、実際に自分もその一人です。
選手権という舞台はとても特別で、人生が変わるほど大きな舞台だと思っています。
1年生のときに先輩方が見せてくれた景色は本当に輝いていて、改めて「絶対にこの舞台に立ちたい」と強く思わされました。
3年間一緒に戦ってきた仲間たちと、なんとしてでも国立に行き、優勝したいという気持ちが強くあります。
最高の思い出を作るためにも、選手権全国制覇が一番の目標です。
個人としての目標は、1年間チームを引っ張り続け、みんなが自分についてきてくれるキャプテンになることです。
自分についてきてくれるような存在になれれば、チームは自然とまとまり、雰囲気も良くなると思っています。
プレー面では、調子の波をできるだけ少なくし、苦しいときに頼られる選手になりたいです。
オフ・ザ・ピッチでは、キャプテンとしての行動を大切にし、
全員が同じ目標に向かって努力できる環境を作っていきたいと思います。
この1年間、うまくいく時期も苦しい時期もあると思いますが、
常に目標に対してブレず、日々の積み重ねを大切にしながら、
最高の思い出を作れるよう努力していきたいです。

キャプテン(足立羽琉)の言葉から伝わってきたのは、
「勝った」という事実そのものよりも、
揺れながらも前へ進もうとしてきた過程でした。
思うようにいかない試合、
内容に納得できなかった時間。
その中で立ち止まらず、話し合い、向き合い、
少しずつ自分たちの答えを見つけていく姿が、
この優勝の裏側にはありました。
この結果が、
ただの一つのタイトルとして終わるのか。
それとも、次の挑戦へ向かう覚悟へと変わっていくのか。
その分岐点は、特別な試合ではなく、
これから積み重ねていく日常の中にあるのだと思います。
今日の練習にどう向き合うのか。
仲間にどんな言葉をかけるのか。
苦しい場面で、何を選択するのか。
その一つ一つが、
これからの時間にどんな意味を持たせるかを決めていくはずです。
この経験が、
次の舞台へつながっていく過程になることを、期待したいと思います。
意志あるところに、道は拓く。



